日々修行49 団体機関誌は修行だったのか

大学4年生のときから始めた厨房業界の団体機関誌『月刊厨房』も編集を、卒業後に引き受けることになったときには、社団法人の職員として雇ってもらえるのかと一瞬期待もしたのですが、編集担当がいなくなったためのワンポイントリリーフであることは、専務理事の口振りから、すぐにわかりました。

職員でもなく、アルバイトでもない立場でしたが、急に責任がある仕事を任せられることの高揚感もあって、先のことを考える暇もなく引き受けました。編集のアルバイトは1年間ではあったものの、厨房業界は法律や規制との関係が深くて、大学で学んだこととは違ったのですが、法学部で条文を読んで理解することに慣れていたので、これは役立ちました。

また、幼いときに過ごした寺院での経験、割烹と料亭でアルバイトの経験(日々修行48で書いたこと)を組み合わせれば、なんとかなるのではないか、という期待感もあって、毎月50〜80ページ(B5判)の原稿書きと編集を了解しました。

編集といってもレイアウト程度で、今では当たり前のデザインではなくて、才能はなくても時間さえかければ、なんとかなるというレベルでした。そのような内容だったので、その後に付き合った複数の団体の機関誌も、中身こそ違いはあっても、同じ感覚でこなすことができました。

取材先は業界団体なので、機械関係の役所でよいだろうと思っていたのですが、社団法人が設立から20周年ということで、記念誌の発行と、機関誌の内容を変更することが、いきなり決まりました。変更は、関連する役所の記事を全部入れることで、現在の役所の名称でいうと経済産業省、総務省、農林水産省、厚生労働省、文部科学省、防衛省です。

まだ、省庁再編の前の時代だったので、霞が関では10の省庁を巡っていました。このおかげで、霞が関を回って情報を得ることは、後々の仕事に役立ちました。

また、厨房の専門職の資格認定も始まることになり、厨房設備士の立ち上げから参加させてもらいました。このときの経験が、その後に8団体で資格認定制度を立ち上げるのにも役立ちました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕