運動ガイド26 慢性疾患を有する人の身体活動のポイント1

厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中の「慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」の「身体活動量と具体例の説明」を紹介します。

〔身体活動量と具体例の説明〕
基本的には、成人又は高齢者の推奨事項が活用できます。ただし、慢性疾患を有する人では、年齢よりむしろその人の健康状態、身体活動状況・体力レベルより取り組む内容を選ぶのが現実的です。

また、エビデンスからは1日30分以上の中強度の身体活動(楽である〜ややきつい程度の余暇身体活動(Leisure Time Physical Activity:LTPA))が勧められています。疾患の改善を目的とした中強度の余暇身体活動30分(意識して身体を動かす30分)に加えて、それ以外の生活活動30分を行うことで、成人の推奨値である1日60分(約8000歩)となります。

筋肉トレーニングを週2〜3日、高齢者については、筋力・バランス運動・柔軟性など多要素な運動を実施します。糖尿病のある場合、インスリン抵抗性の改善を期待し、運動を行わない日が2日以上続かないようにします。

高血圧のある場合、運動による急性効果(すぐに現れる効果)の持続時間はほぼ1日なので、なるべく毎日実施します。強度は普段の日常生活レベルから開始します。

身体活動量には個人差があるので、個人の状況を確認して、無理のない強度・時間・頻度から始めることが重要です。現在の活動レベルが低い人、高齢の人では、高齢者の推奨値に合わせ、無理のない強度で始めて、1日合計40分を目標にするといいでしょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕