「笑う門には福来る」と対で使われる諺(ことわざ)といえば「渡る世間に鬼はなし」があげられます。「笑う門には福来る」をもじって「笑う門には福は内」という言葉を考えたときに、同時に考えられたのが「渡る世間に鬼は外」でした。
節分の「福は内」と「鬼は外」に合わせたもので、認定講習で「笑う門には福は内」と言ったときには、必ずといっていいほどセットで使うようにしています。
講習で使ったときに、「渡る世間に鬼ばかり」ではないかという質問をされたことがあります。講習の本題ではないのでスルーしてもよいことでしたが、余計な諺もじりを使った手前、答えさせてもらいました。
「渡る世間に鬼ばかり」というのはネット検索してもよく出てくる言葉ですが、これはテレビ番組の橋田壽賀子ドラマの「渡る世間は鬼ばかり」に影響されたようです。
「渡る世間に鬼は外」は「笑う門には福は内」と対だと書いたものの、「渡る世間は鬼ばかり」の影響も受けていて、鬼ばかりの世の中であったら、なおさら「鬼は外」は必要であろうとの考えもありました。
メディカルダイエットの資格認定講習をするときには、追い払いたいのは余計な体脂肪であったり、ダイエットが続けられない弱い気持ちだったりするので、自分のこととして「鬼は外」はわかりやすい表現になります。だから、細かな説明をする必要がないこともあります。
ところが、発達栄養の資格認定講習で、発達障害のこととなると、「渡る世間に鬼は外」の鬼は社会的障壁の話にもなって、なぜ社会的障壁があるのか、社会的障壁とは何なのか、なぜ社会的障壁があると発達障害がある子どもは発達障害児とされてしまうのか、ということまで話さないと理解が進まないことになります。
だから、発達栄養、発達障害、学習障害の講習のときには、余計なことを言わないようにするつもりであっても、ついつい口走ってしまい、説明に時間が取られて、途中から講習が早口になってしまったこともあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕