サプリメントや健康食品の広告宣伝などを規制するために設けられた「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」は、一般にはサプリメントなどの医薬品的な効能効果を述べることを規制するものと認識されています。
それは間違ってはいないのですが、マニュアルの重要な内容は、それだけではありません。医薬品だけに認められていることを、サプリメントなどで表現すると、効能効果と同じように厳しく対処されます。
医薬品は、どんな病気の治療に使うのかという有効性(効能効果)のほかに、どれだけの量を使うのか、いつ摂取するのかが定められています。それに対して、サプリメントなどは有効性、形状、用法用量が規制されています。
形状というのは医薬品と同じ形のことで、医薬品と同じ形をしていると医薬品と勘違いされることがあることから規制の対象となっています。以前は錠剤もカプセルも禁止されていて、有効性の一部を表示することが許可される特定保健用食品も登場したばかりのときには医薬品と同様の錠剤とカプセルを使うことはできませんでした。
そのために、錠剤は丸い形ではなくて三角形、六角形などにして、カプセルは涙型が使われていました。今では錠剤もカプセルも医薬品でないことがわかる表示がされていれば使うことができるようになっています。
サプリメントなどの用法用量は、摂取する量では「1日1粒を目安に」と書かれています。“錠”という表現は医薬品だけに許されていることで、粒でなくても粒と表現されることが多くなっています。
摂取タイミングはサプリメントなどでは一切表示することができません。食品なので、いつ摂ってもよいと書かれることもあります。“飲む”という表現は、医薬品との勘違いが起こるので、これも禁止されています。
栄養成分は、摂取タイミングによって吸収率が大きく異なります。水溶性成分は、いつ摂取しても吸収されるのが基本的なところですが、脂溶性成分は胃の中に脂肪があることで溶けて吸収されます。ということは、空腹時に脂溶性成分を摂ると素通りしてしまうということです。
そんな基本中の基本も伝えられず、無駄なことをさせているのがサプリメント業界であり、それは消費者保護にならないとの考えで、そのことを伝える活動は今でも続けています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕