「魚肉ソーセージはソーセージなのか」というのは食品に関する話題としては、よく出てくることで、クイズ番組でも形を変えて何度も登場している定番ネタの一つです。
魚肉ソーセージは、通常のソーセージと違うのは明らかなことで、魚肉の練り製品です。ソーセージの形にした蒲鉾(かまぼこ)と言われることもあります。
材料はスケトウダラなどの冷凍すり身に豚脂、調味料、香辛料などを混ぜたものです。「など」というのは何かということですが、デンプン、植物性たんぱく質、卵白などが結着と増量のために加えられることが多く、すり身の割合は50〜60%となっています。
食品表示法の食品表示基準では、原材料のうち魚肉の割合が50%以上で、植物性たんぱく質が20%以下と定められています。
これに対してソーセージは、豚肉や鶏肉のひき肉を、豚や牛、羊などの腸につめたものを指しています。簡単にいうと、腸詰め食肉加工品です。
ソーセージは、基本的には使われている腸の種類によって名称が分類されていて、羊の腸がウインナー、豚の腸がフランクフルト、牛の腸がボロニアソーセージとされます。この違いだけに着目して、クイズ番組で出題されることがあるのですが、それだけでは正解とは言いにくいところがあります。
今では太さも定義に加えられていて、ウインナーは羊の腸のソーセージまたは太さが20mm未満のソーセージ、フランクフルトは豚の腸のソーセージまたは太さが20mm以上36mm未満のソーセージ、ボロニアソーセージは牛の腸のソーセージまたは太さが36mm以上と定められています。
腸の種類が違っていても、太さだけで名称が分類されるので、腸の種類だけで分類するのは正解なのか、そうでないのかはクイズ番組では出題側の考え次第ということがいえます
魚肉ソーセージは腸に詰められていないので、ソーセージ型の練り製品ということになりますが、形状が異なる魚肉ハムも存在しています。製法は魚肉ソーセージと違いはないのですが、魚肉ハムは魚肉の肉片を塩漬けしたものが材料となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕