ノルディックスタイルのウォーキングは、ポールを後方に突いて勢いよく前進するノルディックウォーキングと、ポールを前方に突いて身体を安定させて歩くポールウォーキングに大きく分けられています。ノルディックウォーキングをアクティブ、ポールウォーキングをディフェンシブと呼ぶこともあります。
ノルディックウォーキングは北欧でクロスカントリースキーの夏場のトレーニングから始まったこともあり、スポーツ感覚で身体を動かすことができるのが特徴で、上半身も使って歩くことから消費するエネルギー量は通常の歩行に比べて20%ほども多くなっています。ポールウォーキングは日本で開発されたもので、日本ウオーキング協会の有志によって始められました。硬式テニスに対して日本人向けに開発された軟式テニスのようなものと言われることもあります。現在は全日本ノルディック・ウォーク連盟として活動していますが、その名称からノルディックウォーキングとポールウォーキングの理解をややこしくしていると発言する人もいます。
ノルディックウォーキングはポールが後方に大きく押し出されることからグリップと手首をつなぐグローブがあり、ポールの先端の路面と触れるゴムパッドは斜めの形状になっています。ポールウォーキングのパッドは丸くなっていて、ポールの角度が使う人によって少し違っても路面と触れる形状となっています。このパッドは接地面が狭く、道路の溝や排水の網に入って抜けにくくなったり、入ったときに無理に引っ張ると抜けることもありました。そこで平らな形状のものも開発されました。
ポールウォーキングは前方にポールを突くことを想定しているため、ポールを真っ直ぐにして平らに突くことで接地面が広がるようになっていますが、歩き慣れてくると以前よりも勢いよく歩けるようになり、ポールが自然と斜めになって突かれるようになります。すると接地面が狭くなり、ポールの力が路面に伝わりにくくなるという難点も指摘されました。
それを解決するゴムパッドが開発されました。それは平らになっているのに非常に弾力性がある素材でできていて、接地したまま角度が突いても、うまく曲がって路面に力を伝えられ、また接地面が広いまま歩けることで身体が安定します。
ポールウォーキングから始めて、勢いよく歩けるようになるとポールウォーキング用のポールでは物足りなくなってノルディックウォーキング用のポールに持ち替える人もいます。ノルディックウォーキング用のポールのパッドは斜めになっているので、45度に近い角度でポールを後方に突くことでピッタリと接地するようになっています。斜め後方に突く歩き方ができるようになっても、まだ45度にまでなっていない人は充分に接地していないので歩きにくくなります。その点、柔軟性のある新タイプのパッドは歩きやすく、安全ということで人気が高まっています。