食品に含まれる健康成分、機能性成分への注目度が高まる中、決定的な健康成分とされる代謝促進成分が知られることになりました。
2001年は厚生省と労働省が統合されて厚生労働省が発足した年で、食品業界の要請を受けて食薬区分(食品と医薬品の分類)の見直しが行われました。
従来の食薬区分は同じ植物の異なる部位で行われるのが通常でしたが、成分そのものが医薬品にも食品にも使用することが許可されるという画期的な出来事がありました。
2001年にコエンザイムQ10、2002年にL‐カルニチン、2004年にα‐リポ酸が食品としての使用が許可され、これらがサプリメントの成分として使われるようになりました。
どの成分も細胞の中のエネルギー産生器官であるミトコンドリアで使われる代謝促進成分で、体内で合成されています。しかし、合成のピークは20歳代前半で、それ以降に代謝が低下するのは、これらの成分が不足するためです。
食品にも含まれるものの、日本人の通常の食事では不足することから多くの種類のサプリメントに使われるようになりました。
食品の成分としてL‐カルニチンを許可するように厚生労働省に働きかけたのはロンザ社(スイスの製薬会社の国内会社)です。同社のニュートリション部長を務めていた王堂哲・工学博士はL‐カルニチン研究の第一人者で、日本メディカルダイエット支援機構の副理事長も務めています。同機構の理事長である私は、実践としての研究(使用する人による有効性の違いなど)を行っています。
ちなみに、L‐カルニチンはミトコンドリアに脂肪酸を取り込むときに必要な成分で、L‐カルニチンを補うことによって、脂肪酸のエネルギー代謝を高めます。太りにくくなるというだけでなく、ミトコンドリアで作り出されたエネルギーは、細胞の働きを高めることから、健康づくりの基本となるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕