睡眠ガイド40 睡眠と嗜好品について・ニコチン

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「睡眠と嗜好品について」の「ニコチン」を紹介します。

〔ニコチン〕
「禁煙を目指しましょう」

たばこに含まれるニコチンは覚醒作用を有しており、睡眠前の喫煙は、入眠潜時の延長(寝つきの悪化)、中途覚醒の増加、睡眠効率の低下、深睡眠の減少をもたらします。また、ニコチンの血中半減期は約2時間であるため、夕方の喫煙であっても、眠るまで、その作用は残存することがあります。

さらに、習慣的にニコチンを摂取している人は、非喫煙者と比べて、入眠困難・中途覚醒・睡眠時間の減少、深睡眠の減少が高度であり、日中の眠気も強いことが報告されています。習慣喫煙者がたばこを控えると、離脱症状による不安・抑うつ・不眠を生じます。

そのため、習慣的な喫煙により、「たばこを吸っていても、吸っていなくても睡眠が悪化する」という状態に陥る可能性があります。したがって、良い睡眠のためには、喫煙しないことが推奨されます。

近年、従来の紙巻きたばこの他にも、加熱式たばこや電子たばこが普及していますが、ニコチンを含有すれば睡眠に対して同様の影響があると考えられます。

なお、受動喫煙も同様に睡眠に影響を及ぼし、特に妊婦・こどもの睡眠への悪影響が強いことが知られています。そのため、同居者の睡眠と健康を守るためにも喫煙を控えることが重要です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕