日々修行76 メディカルダイエットはメタボ対策なのか

日本メディカルダイエット支援機構が内閣府に特定非営利活動法人(NPO法人)として認証されたのは2008年のことです。この年を特に意識して申請をしたわけではないのですが、2008年は他の二つの制度が始まった年であり、これらとの関連が常に付き纏ってきました。

一つは、特定健診・特定保健指導制度です。日本内科学会、日本肥満学会、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本血栓止血学会の8学会が合同でメタボリックシンドロームの疾患概念と診断基準を策定して、2005年の日本内科学会の総会で公表されました。

特定健診は、生活習慣病の予防のために40〜74歳を対象としてメタボリックシンドロームに着目した健診が行われます。診断基準は、腹囲(ウエスト周囲径)が男性は85cm以上、女性が90cm以上で、これは内臓脂肪面積が100㎠以上に相当します。

これに加えて、脂質、血糖、血圧の検査値が規定値以上である項目が2つ以上である場合はメタボリックシンドローム該当者、1つである場合はメタボリックシンドローム予備群と診断されます。

メタボリックシンドロームは内臓脂肪が多く蓄積した内臓脂肪型肥満を指していて、これをきっかけに脂質異常、高血糖、高血圧となる状態を指しています。

脂質異常:中性脂肪値150mg/dl以上
高血糖:空腹時血糖値110mm/dl以上
高血圧:収縮期血圧130mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上

特定保健指導は、メタボリックシンドローム該当者に対して専門スタッフ(管理栄養士、保健師など)が生活習慣を見直すためのサポートをするものです。

特定健診・特定保健指導制度の始まりの年と重なったために、日本メディカルダイエット支援機構には、メタボリックシンドローム対策の食事と運動の依頼ばかりが集中しました。

メディカルダイエットの活動の一部ではあるものの、食事・運動・休養を組み合わせたメディカルダイエットの独自手法のスタートが遅れる要因となってしまいました。

もう一つは後期高齢者医療制度が始まったのが2008年で、75歳以上の後期高齢者を対象とした健康づくり活動が始まりました。

特定健診・特定保健指導制度は74歳までが対象で、後期高齢者医療制度は75歳以上が対象であるので、途切れなく対象として活動をするという意味ではよかったのかもしれません。

しかし、74歳までは肥満が問題であり、75歳以上は筋肉がつきにくくて太りにくいということがあり、その両方に対応できるメディカルダイエットが理解されるまで、10年もかかってしまいました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕