睡眠ガイド45 各種睡眠障害について・不眠症

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「睡眠障害について」の「各種睡眠障害について」の不眠症を紹介します。

「不眠症」
不眠症は、眠る機会や環境が適切であるにもかかわらず、なかなか寝つけない(入眠困難)、夜間に途中で何度も起きる(中途覚醒)、朝早く目が覚める(早朝覚醒)などの症状が出現し、それにより日常生活に対して何らかの支障(倦怠感や集中力の低下、日中の眠気、仕事の効率や学業成績の低下、眠ることへの強い不安など)を来たす疾患です。

不眠が続くと、次第に眠れないことに対する不安や緊張、寝室に対する恐怖感、睡眠に対するこだわりが強くなっていきます。不眠症の人はベッドで長く過ごすことで睡眠を確保しようとする場合が多いのですが、寝方を変えても一晩に眠れる時間には限りがあり、また早くベッドに入っても必ずしもすぐに寝つけるわけではありません。

かえって効率の良い睡眠が減少し、眠れないで悶々とベッドで過ごす時間が増え、その結果、さらに不眠症状やそれに苦痛が悪化するという悪循環に陥ります。

不眠症は、うつ病や不安症をはじめとした様々な精神疾患の初期症状、もしくは併存症として現れることが多くあります。精神疾患が併存する場合には、不眠症のみを焦点とした治療では十分に改善しない場合も多く、精神疾患の悪化を防ぐためにも医師の助言を求めることをお勧めします。

★本ガイドを用いる際のポイント
不眠症の人は、実際の睡眠時間(客観的睡眠時間)より自覚的な睡眠時間(主観的睡眠時間)を短く見積もることがあります。客観的睡眠時間は、睡眠測定機器(睡眠脳波計、活動量計、ウェラブルデバイスなど)を用いないと計測できないのですが、主観的睡眠時間が客観的睡眠時間を大きく下回っている場合には、起床時刻と就床時刻を調整し、ベッドで過ごす時間を短くすることによって眠りが圧縮され、寝つきや眠りの維持が容易になります。

本ガイドを実践しても、不眠症状や睡眠休養感の低下、日中の眠気、またそれらによる日常生活の困難が改善しない場合、医師の指示を仰いでください。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕