睡眠ガイド50 各種睡眠障害について・概日リズム睡眠・覚醒障害

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「睡眠障害について」の「各種睡眠障害について」の概日リズム睡眠・覚醒障害を紹介します。

「概日リズム睡眠・覚醒障害」
社会的に望ましい寝起きのタイミングと、実際の寝起きのタイミングがずれることにより、社会生活に支障をきたす睡眠障害です。寝起きのタイミングの異常は、体内時計が昼夜のサイクルと合わない場合(睡眠・覚醒相後退障害、睡眠・覚醒相前進障害など)と、交替制勤務(日勤・夜勤の繰り返し)や時差飛行(海外旅行)のために寝起きのタイミングが人為的にずらされた結果(交替勤務障害、時差障害)として生じる場合があります。

睡眠・覚醒相後退障害は思春期や若年成人に多くみられ、極端な遅寝・遅起きを特徴とします。眠るべき時刻になっても寝つけず、さらに起きるべき時刻に起きられないため、定刻に登校・出勤ができなくなります。無理に起きても、強い眠気や倦怠感など、心身の不調が生じます。

睡眠・覚醒相前進障害は高齢者に多くみられ、極端な早寝早起きを特徴とします。夕方から夜の早い時間帯に眠気が出現し、深夜から早朝に目が覚めてしまいます。夕食後の団欒に参加できず、朝は周囲が寝静まっているうちから目が覚めてしまうため、多くは家族や友人の生活と乖離が生じることに苦痛を感じます。

睡眠・覚醒相後退障害は入眠困難のため、睡眠・覚醒相前進障害は早朝覚醒のため、しばしば不眠症と見誤れることがあります。

★本ガイドを用いる際のポイント(睡眠・覚醒相後退障害)
朝に日光を浴びることが重要です。朝起きられないケースでは、家族が朝にカーテンを開けるなどして、できるだけ太陽の光を浴びられるようにしましょう。重症例では明け方に眠りにつき、夕方近くに起床する場合があります。そのようなケースでは、寝つく前の明け方の光で寝入るのがさらに遅れる可能性があるので、この時間帯の光を浴びないように注意しましょう。症状が改善しない場合は、医師に相談してください。

★本ガイドを用いる際のポイント(睡眠・覚醒相前進障害)
夕方から夜に明るい光を浴びる、早朝の光を避けるためにサングラスの着用などが有効な場合があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕