髪の指通りがよくて、抜け毛、白髪、かゆみやフケにも効果があるということで人気が高まっているアミノ酸シャンプー。アミノ酸シャンプーは洗浄剤にアミノ酸の成分を使用しているもので、洗浄力は弱めではあるものの、刺激が少なく、頭皮にも優しいことを特徴としています。シャンプーに使われるアミノ酸には、タウリン、アラニン、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸などの種類があります。
アミノ酸は全身の細胞を構成するタンパク質の成分で、天然のアミノ酸は500種類以上あるとされていますが、体を構成しているアミノ酸は20種類でしかありません。毛髪もアミノ酸が組み合わされたタンパク質でできているため、これが毛髪に優しい理由とされています。
毛髪の健康には、シャンプーによって汚れや余分な皮脂を落としても、毛根を守るために必要な皮脂を残すことが必要です。アミノ酸シャンプーは汚れを落として、皮脂が洗い流されすぎないようにするという特徴があり、頭皮が過敏な人やフケが出やすい人、皮膚のアレルギーがある人に向いています。
また、シャンプーに含まれるアミノ酸が頭皮に浸透して、頭皮を守るという有効性をうたっている商品もあります。アミノ酸シャンプーは、ヘアサロンでは以前から使われていたもので、プロの仕上がりが期待され、保湿性がよく、パサつきがないことから指通りがよく、髪のまとまりもよいことが一気に広まっていった要因となっています。
プラスの面ばかりが強調されがちですが、アミノ酸シャンプーのデメリットを指摘する声もあります。余分に皮脂を落とさないとしても、全体的には洗浄力が弱いので、整髪剤や汚れが落としにくいということはあります。臭いが残ることもあります。また、保湿性が高いことから、さっぱりとした洗い上がりにはならないという面もあります。さらに加えると価格が高いこともあげられます。
ブラシで髪の毛をとくと毛髪が抜けるからとブラシを使わないようにしている人もいます。しかし、ブラシで抜けるのは、数日したら抜けるはずだった毛髪がブラシの刺激で先に抜けただけのことで、ブラッシングが抜け毛の原因ではありません。アミノ酸シャンプーを使うことで抵抗性が弱まってブラシで抜ける毛髪は減るのですが、その抜けなかった毛髪も数日で抜ける運命にあったものだということを考えると、抜け毛が予防できるという効果に疑問が抱かれることもあります。
アミノ酸シャンプーに使われている成分としては、タウリン系(ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa)、アラニン系(ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルアラニンTEA)、グリシン系(ラウロイルサルコシンTEA、ラウロイルサルコシンNa、ココイルサルコシンTEA、ココイルサルコシンNa、ココイルグリシンK)、グルタミン酸系(ラウロイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA)、アスパラギン酸系(ラウロイルアスパラギン酸Na)があります。
タウリン系は刺激が弱く、適度な洗浄力があり、細かな泡立ちと、さっぱり感が特徴的です。アラニン系は泡立ちがよく、適度な洗浄力に加えて、すすぎやすく、サラサラ感があるのが特徴です。グリシン系は洗浄力がやや強めで、泡立ち泡切れともによく、さっぱり感があります。
グルタミン酸系は洗浄力が弱く、泡立ちも弱いものの、指通りのよさと、しっとり感が特徴となっていて、ヘアサロンで多く使われています。アスパラギン酸系は泡立ちと適度な洗浄力があって刺激が少ないことから人気があります。
アミノ酸シャンプーだと思って手にしたら、実は違ったシャンプーだったということもあります。それはアミノ酸配合シャンプーです。よく見ればアミノ酸シャンプーではなく、「アミノ酸配合」と書かれています。商品パッケージには配合量が多い順に成分が表示されます。最も多いのは水で、その次に表示されているのが洗浄剤の成分です。そこに高級アルコール系洗浄成分のラウリル硫酸、ラウレス硫酸、スルホン酸と書かれていたら、これは一部の成分としてアミノ酸が含まれているアミノ酸配合シャンプーとなります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕