「今どき昭和の時代の発想か」と言われることがあります。あまりに古い発想、前例主義などを揶揄して使われていますが、そのときに同時に言われるのは「平成だって30年も過ぎているのに」ということです。
昭和の最後の年であっても、30年以上前のことで、「十年一昔」を例に出すなら“三昔”の出来事です。昭和は年号の中では最も長くて、昭和から平成になったのは昭和64年(1989年)1月8日のことです。
この日が平成元年の始まりで、平成時代は2019年(平成31年)4月30日まで続きました。平成から令和になったのは平成31年4月30日ではなくて、翌日の2019年5月1日が令和元年です。これは崩御ではなく、平成天皇は退位されて今上天皇が即位をしたからです。
昭和64年は7日間しかなかったので、正月休みの3が日を差し引くと4日だけです。この間に起こったことは、よほどのインパクトがあることでないと覚えていない人がほとんどのはずです。
1月1日には、朝日麦酒がアサヒビールに改称しました。このことを覚えているのは、私の知人がアサヒビールの副社長になって、サプリメントの担当となり、前年末からサプリメントの広告表現の法律アドバイスを求められていて、1月5日に打ち合わせをさせてもらったからです。
昭和の区切りの次のカウントは昭和70年(1995年)ですが、この年は、さまざまな記録と記憶に残る年でした。阪神・淡路大震災、オウム真理教事件、野茂英雄のMLB挑戦、Windows95の発売などがあげられます。
昭和100年問題ということでは、30年前のWindows95の登場が、その始まりだったと考えられています。インターネットは今では誰もが自由に使えるものになっていますが、Windows95以前は専門家(研究者や技術者など)だけが使えるものでした。
当時のインターネットは発信側の情報を一般の人は受けるだけのものでした。今のように相互通信、受信者が発信者にもなる、そして、初めから発信者としてSNSが使える時代は想像ができないことでした。
そのような便利な時代になったことが、昭和で構成されたデジタルカウントが障害を起こす可能性がある昭和100年問題を大きくさせる要因ともなっているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕