厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。
以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「妊娠・子育て・更年期と良好な睡眠について」の「更年期と良質な睡眠の確保について」を紹介します。
〔更年期と良質な睡眠の確保について〕
閉経(日本人の平均閉経年齢:50歳頃)の前後5年の約10年間は更年期と呼ばれます。更年期では不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸などへの罹患リスクが増大することが知られています。これには女性ホルモンの減少が関連すると考えられていますが、明確な機序は十分に解明されていません。
また、更年期に多い症状である「ホットフラッシュ」などの血管運動神経障害が重いと、深い睡眠が妨げられやすく、睡眠が分断されやすい(睡眠中に目が覚めやすい)と考えられています。
男性においても、更年期に男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌が減少します。アンドロゲンの減少により睡眠が障害される証拠は十分に得られていませんが、更年期以降の男性では不眠症をはじめとした睡眠障害が増加します。
アンドロゲンの分泌減少は、うつ病の一因となることが指摘されており、うつ病に伴って不眠症状が出現することもあります。
なお、女性更年期の代表的な血管運動神経症状に対するホルモン補充療法は、睡眠症状の軽減に役立つことがありますが、一部のがんや冠動脈疾患のリスクを高める懸念もあるため、医師と相談しましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕