ポールを用いたノルディックスタイルのウォーキングは、高齢化の進展に伴って進展の速度を高めています。その進展の歴史に少なからず関わってきた身としては、まずは正しい認識を持って導入を考えてほしいと考えて、普及に努めてきました。
ノルディックスタイルのウォーキングは、1930年代にフィンランドのクロスカントリースキーチームのオフシーズンテクニックトレーニングとして、2本のポールを用いて歩く、走るといった運動として始まりました。
“北欧のウォーキング”とも呼ばれる健康運動としてのノルディックウォーキングは1997年に「ノルディックウォーキング」という言葉が定義されて、最初のカーボンファイバー製ノルディックウォーキング専用ポールが考案されました。
2000年にはフィンランドのヘルシンキに、国際ノルディックウォーキング連盟(INWA:International Nordic Walking Federation)が設立され、国際的な普及活動が始まり、現在は世界40か国を超える国に普及しています。2001年にノルディックウォーキング専用のポールが開発され、ポールとともに各国に広められていきました。
日本では、1999年に日本ウオーキング協会がスキーのストックを用いたノルディック・ウォークの体験会を開催しました。このイベントにはウォーキングの関係もあって参加しましたが、ストックを持ってゴルフ場を歩くイベントは人気がありました。
冬場はゴルフ場の利用者も少なく、その間にストックを持って芝生の上を歩くことが行われていました。これは芝の根切りをすることで成長を促すという需要と重なって、喜ばれながらゴルフ場の起伏を楽しむという画期的な出来事でした。
2000年にフィンランドから北海道大滝村(現伊達市)に専用ポールを使うノルディックウォーキングが伝わり、日本ノルディックウォーキング協会が設立されました。2006年には前突きの専用のポールが国内で開発されて日本ポールウォーキング協会が設立され、また2007年には日本ノルディックフィットネス協会が仙台市に設立されました。
2009年に全日本ノルディック・ウォーク連盟が設立され、これらの4団体によって指導者の養成と認定が始まりました。
専用のポールが開発された背景には、スキーブームの衰退がありました。それまでスキー用のストックを作っていたメーカーの仕事量が大きく低下したところに、ノルディックスタイルのウォーキング専用のポールの開発が持ち込まれました。
これはメーカーにとっては願ってもないことで、現在のポールメーカーのほとんどは、スキー愛好家であれば知っている会社です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕