カルシウムが不足している人がサプリメントとして摂取するときには、単体よりもビタミンDとともに摂取したほうが吸収率が高くなることが知られています。これはビタミンDによってカルシウムが小腸の細胞膜に取り込まれやすくなるからです。
カルシウムの吸収率が30%なら、単体であっても3倍の量を摂れば同じような量が吸収されるように思うかもしれません。しかし、カルシウムは胃酸で分解されてイオン化されてから初めて吸収されます。
通常のカルシウムのサプリメントの推奨量は1回の消化液でイオン化できる量となっています。だから、通常の推奨量よりも多くの量を摂ったから、その分が吸収されるわけではないのです。1回にイオン化される量よりも多くの量を摂っても、それは無駄なものとなってしまいます。
カルシウムが完全にイオン化されて吸収されるには約3時間はかかります。最も頻繁に摂取するなら3時間ごとに摂るとよいわけです。しかし、約6~7時間ごとに朝食、昼食、夕食を食べるとなると、充分にイオン化ができるタイミングは1日に何度もあるわけではありません。
吸収される量が高まる空腹時、例えば起きてすぐ1回と、寝る前に1回摂るのを基本として、ビタミンDが吸収されやすい脂肪が含まれた食事をした昼食か夕食に合わせて、もう1回という方法が効果的な方法としてすすめられています。
起床直後にカルシウムを摂取するのは、副甲状腺ホルモンの血液中の濃度とも関係があります。副甲状腺ホルモン濃度は、血液中のカルシウム濃度と反比例しています。
食品に含まれるカルシウムの量にもよりますが、夕食後にはカルシウム濃度は高まり、副甲状腺ホルモン濃度は下がります。寝ている間に徐々にカルシウム濃度は下がり、逆に副甲状腺ホルモン濃度が高まっていきます。
そして、起床直後には副甲状腺ホルモン濃度がピークに達していて、ここでカルシウムを補給すれば副甲状腺ホルモン濃度を抑えることができます。だから、起床直後はカルシウムを摂取すべきタイミングとなります。
最も効果を高めるにはイオン化が最も進む3時間は何も食べ物を入れないことですが、そうはいかない人が多いので、できるだけカルシウム摂取と朝食との間をあけるようにすることをすすめています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕