食品やサプリメントに含まれるカルシウムは、そのままの量が腸から吸収されるわけではありません。1日の標準的な目標とされる650mgのカルシウムを食品から摂ったとすると、成人の吸収率は30%なので、吸収される量は平均して195mgほどです。
吸収されなかったカルシウム(455mg)は、どこに行くのかというと、腸を通過して最後は排泄されるわけですが、カルシウムには腸壁を刺激して蠕動運動を盛んにする働きがあり、便通をよくするために使われます。
ヨーロッパの水は、カルシウムとマグネシウムが多く含まれている硬水となっています。フランスで水道水を飲むと軟便になるといわれるのは、その中にカルシウムが多く含まれているからで、カルシウムが少ない軟水を飲んでいる日本人の場合には、軟便を通り越して下痢になることもあります。
カルシウムは、胃や腸の中に野菜(特にほうれん草)に多く含まれるシュウ酸があると、それと結びついてシュウ酸カルシウムとなり、結びついた分はカルシウムとして吸収されなくなります。そのため、シュウ酸が多い食事をすると、カルシウムの吸収量が低下することになります。
腸から吸収されたカルシウムは血液中に入りますが、血液中ではカルシウムはリンとバランスを取っています。血液中のリンが多くなると、リン酸カルシウムとなって、身体に必要のないものとして排泄されるため、せっかく吸収されたカルシウムが不足するようになります。
リンは、食品添加物にリン酸塩として多く含まれているので、加工食品を食べる人は、リンの摂取が多くなり、カルシウムが減少するようになるわけです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕