子どもの特性は「十人十色」と言われますが、発達障害児の場合は「百人百様」では足りない「千差万別」であることが、子どもの支援、中でも発達障害児の支援に携わっていると、よくわかります。
発達障害は、大きく3つに分けられています。それは自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害です。この3つ以外に、発現の数は少ないものの、2〜3の特徴的な特性分類があります。
3つの大きな特徴に、くっきりと分けることができれば対応はしやすいかもしれませんが、発達障害は境を定めて区別できるようなものではありません。そもそも自閉症スペクトラム障害で示されている「スペクトラム」は縞模様のように境界が曖昧で、連続している状態を示しています。
現れる状態が独立したものではなくて、連続していることを指しています。自閉症でいえば、重い状態から軽い状態、それだけでなくて健常な発達の人(医学的には定型発達という)まで、境い目がない状態でつながっているということです。
これだけであれば「十人十色」といった状況かも知れませんが、発達障害は単独で現れるとは限らず、三大発達障害が合わさって起こることが少なくありません。一つの発達障害の程度の違いだと思われていることが、複数のこと(自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害)が組み合わされて現れることも珍しくありません。
複数の組み合わせとしては、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害が多いとされているものの、学習障害は集中力の欠如でも、集中しすぎることでも現れることがあります。そのため、自閉症スペクトラム障害による学習障害、注意欠陥・多動性障害による学習障害も起こりやすくなっています。
そして、自閉症スペクトラム障害も注意欠陥・多動性障害も、スペクトラム状態で現れるとすると、これは1%から100%まで段階的に状態が異なります。さらに組み合わせがあるとなると、ひょっとすると千差万別で済まなくなるほどパターンの違いが現れることになります。
千差万別の上となると、どんな表現が相応しいのか、無量大数は行き過ぎという感覚もあって、どう表現すればよいのか判断がつきにくいのですが、そんな用語のレベルではなくて、発達障害は細かく分けたらキリがない状態です。
それだけに、一人ひとりに合った対応をするしかないと言うしかないのかもしれません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕