教育の世界の「支援する人を支援する」というと、通常は教育を受ける人を支援する講師や教師に対する支援を指すことが多く、教える人を支援するだけで目的が達成されるということもあります。
講師への支援は、講師がメリットを得るだけというなら、これは従来から行政などでも行われてきたことで、待遇改善の域を出ない場合もあります。講師がメリットを受けることによって、そのメリットが教育を受ける人の全部でなくて一部でも行き届くことが求められます。
教育といっても目的や活動形態によって支援の仕組みも違っているので、ここでは一例として発達障害の学習支援について考えていくことにします。
学習障害は自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害と並ぶ三大発達障害の一つです。発達障害は単独の場合もあれば、複数が重なって現れることもあります。
自閉症スペクトラム障害は集中しすぎることで広く見ることができない、注意欠陥・多動性障害は多くのところに気が向くことから集中しにくいということもあって、ともに学習面に影響が出やすいことが指摘されています。
講師に対して学習障害の特性を伝え、改善のために何をすればよいのかを理解してもらえることは子どもに好結果をもたらすことが期待できます。発達障害児の保護者は、他の人よりも発達障害の特性に詳しいと言われるものの、学習障害についても詳しいとは限りません。
そこで講師に対して教えると同時に、保護者に対しても学習に関係する特性を伝えて、家庭での支援の大切さと支援方法に伝えることが求められます。
講師の上には学習障害の改善に力を入れる運営者(例えば塾などの経営者)がいて、その運営者に情報を与える立場の人(塾のフランチャイズ本部や運営母体など)がいます。これらの方々も学習障害について詳しいことを求めたいところですが、それができていないこともあります。
そのために、せっかくの講師の努力が、最終的に子どもに届いていない、届いたとしても充分と言えない、結果として保護者が期待する希望との差が大きいということも実際に起こっていることです。
〔特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕