カルシウム代謝9 カルシウムダイエットのメカニズム2

カルシウムを摂取することでダイエットができるメカニズムについて前回(カルシウム代謝8)紹介して、カルシウムを多く摂ることでダイエットができるということを主張している専門家がいる、ということを書きました。

そのメカニズムについての詳細は前回の文を見てほしいのですが、カルシウムが不足すると肝臓で脂肪酸を合成する酵素が働き、太ってしまうことになるという説明をしました。

それについては多くが認めるところですが、これはカルシウムを多く摂ることによって正常な機能になっているということで、積極的にダイエットできるという証明には、これだけの説明では不十分です。

それを補っているのはプラスのダイエット効果となっている胆汁酸の働きを抑える機能です。

胆汁酸は肝臓の中に蓄積されているコレステロールを材料に作られ、十二指腸から分泌されて、脂肪を分解する働きがあります。胆汁酸が多く分泌されるほど脂肪が多く分解されてエネルギーとなっていきますが、エネルギーとして使われなかった脂肪は肝臓で中性脂肪に合成されて脂肪細胞に蓄積されていきます。

胆汁酸が十二指腸で分泌されたときに、そこにカルシウムが多くあると胆汁酸はカルシウムと反応して石鹸化が起こります。変化した胆汁酸は、胆汁酸の働きをしなくなるので、その変化した分だけ脂肪が分解されなくなり、脂肪細胞に蓄積される脂肪が少なくなるというわけです。

肉類には脂肪とともにカルシウムも多く含まれています。肉食が多い欧米人はカルシウムも多く摂っているので、胆汁酸が分泌されてもカルシウムによって一部が変化して働きが抑えられることから脂肪による害が少なくなります。

日本人は脂肪の摂取が少なくても、カルシウムの摂取量が少なくなっているので、胆汁酸の働きが抑えられにくく、脂肪をエネルギー源として取り込みやすくなっているということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕