京都人の気質といえば「進取の気風」が、あまりにも有名です。従来の習わしにとらわれることなく、積極的に新しい物事に果敢に取り組んでいこうとする性質のことです。他の地域にないわけではないものの、特に京都人は突出していると言われます。
言い換えると独創的な発想と行動ということになります。これを英語で表すと「original mind」と表現されます。オリジナルマインドは、健康づくりのキーワードの一つとしてあげられることがあり、物事を進めるときの重要なバックアップの思想ともされています。
独創的な発想は現状打破のためには必要なことであると思って、“オリジナルマインド”なのかと自らに問いながら、新たなことに挑戦しています。
しかし、この感覚に水を差されることがありました。それは京都の方と話をしたときのことで、「独創的やね」という言葉の裏に、「それはおかしい!」という気持ちが隠れていることです。
京都といえば「進取の気風」ということは、京都に本社がある大手出版社の書籍編集部で仕事をしてきた中で象徴的な言葉として使われてきたことで、使ってもきました。
それもあって、「京都人=進取の気風」という考えをしがちですが、京都特有の言い回しを忘れてはいけないということを思い起こさせられる機会でした。
もう一つ関連して注意しているのは、「お上手ですね」と言われたときには「下手くそ!」という意味が含まれていることがあるということです。
このような注意すべきことは、相手との関係性、距離感によって違いが出てくるということです。受け入れてくれそうだけれど、距離感を間違うと(半歩でも近づきすぎると)ピシャッと扉を閉ざすことがあるのは、京都を散策していて格子戸を目にするたびに思い浮かべてしまうことです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕