健康情報学4 正しい情報を正しく伝えることへの抵抗

日本メディカルダイエット支援機構は、健康を科学として捉えて、科学的に正しいと判断できる情報だけを発信する「健康科学情報センター」と、健康情報に広く関わる研究者やメディア関係者で構成される「健康ペンクラブ」の事業部門を合併させて2002年に発足しました。

特定非営利活動法人(NPO法人)として内閣府の認証を受けたのは2008年のことです。法人格としては他の選択もあった中から、わざわざ特定非営利活動法人にしたのはNPO法人の意味するところが、私たちの感性と合致していたからです。

特定非営利活動法人は英語では「Non Profit Organization」と表記されます。この頭文字をとったのがNPOです。「Non Profit」、つまり利益を得ない組織・団体ということで、組織運営に最小限必要な資金は得る必要はあるとしても、利益といえるような稼ぎはしないという意識がありました。

そして、「正しい情報を正しく伝える」という健康科学情報センターと健康ペンクラブが掲げていたモットーを標語として掲げることにしました。

この標語を一部の人間だけのものとするのではなく、健康と情報に関わる人間が集い、学問として研究・発表をしていくことを目指して「健康情報学会」の設立に向かっていたときに、邪魔が入って足踏みをせざるを得なくなりました。

その理由は、これからも機会があるたびに示していかなければならないと感じていますが、正しい情報を正しく伝えられては困る人たちの存在でした。

「正しい情報を正しく伝える」という活動が、会社や既存の収益団体であれば、スポンサーの意向というのは避けては通れないので、「正しい情報を正しく伝える」と言いながら、他の情報、他の伝え方をさせるということもできます。

ところが、「Non Profit Organization」の精神を継いだ学会となると、“何を言い出すかわからない”という心配や不安を与えることもあって、私たちが心の支えとしている団体(研究会な学会など)や行政機関を通じて、「やめておいたほうがいいのではないか」との“天の声”が突き刺さるように投げかけられたのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕