花粉症に悩まされる人の数と花粉症の症状の悪化状態は、花粉の飛散量が影響しているのは間違いがないことです。しかし、それだけが花粉症の状態を悪くさせているわけではありません。
私たちの身体が受ける花粉は、一定期間に飛散した花粉だけではありません。1日を例にすると、その日に一定の地域に降り注いだ花粉の量と、その地域に残っている花粉の量をプラスしたものが影響を与える花粉量となります。
地面が土であれば、地面に落ちた花粉は舞い上がりにくくなっています。ところが、地面が舗装された状態だと地面の花粉は風が吹いたりすると舞い上がります。舗装されたところであっても、周囲に土が多いと、そこに移動した花粉は舞い上がりにくくなります。
大都市部は地域全体が舗装された状態で、しかも自動車が通過するたびに花粉が繰り返し舞い上がります。
花粉は低いところに流れていくので、地下街があるところでは地上よりも花粉が多くなり、この花粉は掃除をしない限りは滞って、溜まり続けていきます。
地下街よりも低いところに地下鉄が通っているところもあります。地下鉄の駅のホームは、列車が通過するたびに勢いよく花粉が浴びせられるようになります。
都市部で花粉症の症状が悪化しやすいのは、自動車の排気ガスの影響を指摘する人もいて、それを実証する研究も行われていますが、そこでも前提条件となっているのは花粉の飛散量だけです。
花粉の飛散量が少ないからといっても、花粉の残っている量と、それが繰り返し浴びせられる状態を加味しないと実際の影響を推定することはできないわけです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕