カルシウム代謝10 ダイエットによるカルシウム不足

国民のカルシウム摂取が大きく不足しているとの国民健康・栄養調査の結果も、平均的な数値です。ダイエットを心がけている人は食事の量が全体的に少なくなっている分、カルシウムの摂取量も少なくなっています。

カルシウムが多く含まれる小魚、干しエビ、海藻類、牛乳、乳製品などが食事で不足している人は、特に減りやすくなっています。

ダイエットのために運動を心がけている人もカルシウム不足には注意が必要です。運動をして汗をかいたときに失われるミネラルというとナトリウムが最も多いことはよく知られていますが、カルシウムも失われることは案外と知られていません。

汗をかいたときにはカルシウムも体内から減っています。汗腺から出たカルシウムは血液の中から補われるので、食事から摂るカルシウムが減っているうえに、さらに運動によってカルシウムが減ると、カルシウム・パラドックスが起こりやすくなります。

運動をしなくても、気温が高くなって汗が出る季節にはカルシウムの排出量も増えていきます。そんな季節に運動をしたら、もっとカルシウムは減ってしまいます。

カルシウムは神経系の調整に必要なミネラルだけに、不足するとイライラするなど精神的な面にも影響を与えます。

ダイエットをするとイライラするのは、空腹を我慢するから、食べたいものを食べられないから、いやな運動を続けているから、というのが一般的に言われることですが、食事制限と運動によるカルシウム不足も原因となります。それだけに、カルシウムはダイエットを心がけている人には必ず摂ってほしいものです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕