厚生省(現在の厚生労働省)の国民栄養調査(現在の国民健康・栄養調査)によって、栄養バランスが取れている人が1日に食べている平均食品数が17食品であることが判明したものの、これは栄養摂取の目標として採用されることはありませんでした。
いろいろな食品を1日に食べることをすすめるイラスト図(小学生用)を分類してみると以下のようになります。
「穀類(ご飯、パン、麺類)、野菜(淡色、緑黄色、葉、根)、肉類(鶏肉、豚肉、牛肉)、魚類(赤身、白身、エビ・イカ)、卵、豆、種実、きのこ、果物、海藻、乳製品」
これだけでも20種類にはなります。
食品に含まれる栄養素は、それぞれ異なっていて、1つの食品で、すべての栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)を摂取できるものはありません。
多くの種類を食べてもらえるように、食に関する標語が過去にもあげられてきましたが、最新のものは「さあにぎやかにいただく」です。
「さ:魚、あ:あぶら、に:肉、ぎ:牛乳、や:野菜、か:海藻、に:乳酸菌(発酵食品)、い:いも、た:卵、だ:大豆(豆類)、く:果物」
これだけでも11種類で、野菜や豆などが複数になって、これに主食のご飯、パン、麺類の3種類を加えると17食品はクリアできます。
「さあにぎやかにいただく」はフレイル対策として始まった推奨食品で、発祥は東京都健康長寿医療センター研究所です。
以前は「まごわやさしい」が標語として知られていて(と言っても登場したのは40年も前)、これは「ま:豆、ご:ごま、わ:わかめ(海藻)、や:野菜、さ:魚、し:椎茸(キノコ)、い:いも」の7種類があげられていました。
これが以前の常識とすると、新常識として「まごたちわやさしい」と「た:卵、ち:乳(乳製品)」が加わって、たんぱく質の摂取が重視されるようになり、さらに「まごたちにわやさしい」と「に:肉」が加わりました。
さらに「まごたちにはやさしいわ」と「は:発酵食品」を増やすことがすすめられるというように変化してきました。
この新常識も今では非常識とは言わないまでも、古い話とされるようになったのは「さあにぎやかにいただく」が使われるようになってきたからです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕