発達特性10 わからない中での支援

発達障害の特性は多くの研究によって、徐々に解き明かされてきています。

日本メディカルダイエット支援機構が2010年4月から毎週1回、専門家向けに発信している「健康情報メール」は毎回40ほどの発表情報を提供していますが、発達障害に関わる発表は、ここのところ増える傾向にあります。

基礎研究も含めると、発表がない月(平均4回発信のうち)は、ほぼないという状況です。それだけ研究が進んでいれば、多くの人が疑問として抱いている「なぜ男子のほうが多いのか」ということも解き明かされていくのではないかと期待しているところですが、今も解明できるような発表はありません。

発達障害の男女差は、文部科学省の調査では男女比は2.4:1の割合となっています。男子は女子の2.4倍ということですが、男子の発現が特に多いとされるアメリカでは4.5:1との報告もされています。

国内の調査では男子が女子の2.4倍という結果から、発達障害の特性を持った子どもが10%と推定した場合には男子で発見されているのは14.0%、女子では5.8%の割合となります。

一般には発達障害の男女差は7:3で男子が多いと言われています。これは児童発達支援を実施している施設や各地の発達障害者支援センターの担当者などが口にしていることです。

男子で14.0%、女子で5.8%というのは、男女差が7:3の割合と合致した結果となっています。

また、発達障害の診断数を男女別にみても、男性が68.8%、女性が29.9%(不詳は1.2%)の割合です。

なぜ男子の発現率が高いのかということについては、以前から胎児の段階での母親の女性ホルモンの影響が言われてきました。また、発達障害の特性は子どもの段階では男子のほうがわかりやすいこともあげられていますが、これも決定的な理由ではありません。

そのような、わからないことが多い状態での支援、中でも改善のための支援は困難を極めていることは充分に理解できるところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕