健康情報学7 学ぶためのリテラシー

日本メディカルダイエット支援機構は複数の公益法人と連携して発達障害児の支援に取り組んでいますが、その中でも特に力を注いでいるのは学習障害の改善のための支援活動です。

発達障害は自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害が三大障害と呼ばれています。複数が重なって発現することが多く、自閉症スペクトラム障害でも注意欠陥・多動性障害でも学習面に障害が出ることから、実際の発達障害の特性としては学習障害が最も該当者が多いと考えられています。

学習障害は、識字障害(読む能力)、書字障害(書く能力)、算数障害(計算能力)に大きく分けられています。それぞれの障害だけでなく、的確に読んで理解することができない識字障害があると、書くことも計算することも障害が出ることになります。

算数障害というと計算ができないことが主な状態とされていますが、実際には計算式が出されたら解くことができるのに、文章題で何が問われているのかが理解できないために解散ができないという困難さを抱えていることが多くみられます。

リテラシー(literacy)は、読み書きの能力を表すと前回(健康情報学6)紹介しましたが、読み書きが的確でないと、そこから先に進みにくくなります。発達障害の学習障害について研究を進めていくと、理解しやすいように情報発信することの重要性を改めて感じさせられます。

文字で示された情報を的確に読んで、その内容を把握して、示された情報が正しいのか、自分に役に立つ情報なのか、継続することができる情報なのかを見抜くことができるようになります。

この見抜く能力を身につけることがリテラシーの本質であり、その見抜くべきことが健康に関わる場合が「健康リテラシー」となります。健康リテラシーの見抜く能力は、ただ文章が読めればよいということではなくて、それが真実であるのかを感じ取る能力を鍛えておくことが重要になるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕