企業の合併がうまくいくか、破談になるかはバックにいる銀行の意向が大きいということは以前から言われてきたことです。話題になった自動車会社の合併(経営統合)話は、みずほ銀行が日産自動車のメインバンクであることが大きいというのが業界筋の見方です。
日産自動車は日本興業銀行がメインバンクでしたが、銀行の3行合併によって第一勧業銀行、富士銀行とともに、みずほ銀行となり、日産自動車のメインバンクの座を受け継ぎました。
ホンダ(本田技研工業)のメインバンクは三菱銀行から、現在の三菱UFJ銀行へと受け継がれています。
日産自動車は、みずほ銀行だけでなく、経営難もあって三菱UFJ銀行も加わるようになり、もしもホンダが主となった合併では、みずほ銀行の地位が脅かされることになります。
もう一つの雄のトヨタ自動車は東海銀行が合併によって三菱UFJ銀行になっています。
このままでは自動車業界のメインバンクは三菱UFJ銀行だけになりかねない、という懸念が、日産自動車の経営陣を動かしたというのが、もっぱらの噂です。
以前は大手銀行(都市銀行)が13行の時代が続いていて、そのときに知り合いのデザイナーがBANKの「B」と「13」を組み合わせた銀行業界のロゴを作ったこともあって、合併によって数が減っていくことと、メインバンクの変遷もずっと見てきました。
当時の13行は、第一銀行、三井銀行、富士銀行、三菱銀行、協和銀行、日本勧業銀行、三和銀行、住友銀行、大和銀行、東海銀行、北海道拓殖銀行、神戸銀行、東京銀行でした(当時の統一金融機関コード順)。
その後、太陽銀行(日本相互銀行から変更)、埼玉銀行(地方銀行から都市銀行の移行)が加わって、13行は15行の体制になりました。
現在は、みずほ銀行(第一銀行、富士銀行、日本勧業銀行)、三井住友銀行(三井銀行、住友銀行、神戸銀行、太陽銀行)、三菱UFJ銀行(三菱銀行、三和銀行、東海銀行、東京銀行)、りそな銀行(協和銀行、大和銀行)となり、北海道拓殖銀行は経営破綻しました。
埼玉銀行は埼玉りそな銀行となり、りそなグループの傘下の都市銀行となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕