「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、行動学的・栄養生化学的な視点を示しています。
食事摂取基準は主に栄養生化学的な視点から策定されています。
しかし、食習慣やエネルギー・栄養素摂取量の健康影響を与えるためには、栄養生化学的な視点だけでなく、行動学や栄養生理学的な視点も欠かせません。
例えば、1日の中での食事回数(頻度)、特に朝食の有無が肥満や2型糖尿病などの有病率に関与している可能性が報告されています。
1日の中の食事間のエネルギーや栄養素の摂取割合の違いが、その後のメタボリック・シンドロームなどに関連したとする報告もあります。
また、食べる速さが肥満やメタボリック・シンドローム、糖尿病の罹患や発症に関与しているとの報告も存在しています。
しかしながら、この領域における知見を食事摂取基準に直接に取り入れるには、さらなる概念整理や研究が必要であり、今後の課題であると考えられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕