若い世代が好んで食べている食品を見ていくと、あまり噛まないでも食べられる食品は、子どもの健康を考えると食卓にのぼる機会を減らしたほうがよい料理に多く使われています。
それをわかりやすく並べたものが「オカアサンハヤスメ」という言葉です。
オはオムライス、カはカレーライス、アはアイスクリーム、サンはサンドイッチ、ハはハンバーグ、ヤは焼きそば、スはスパゲッティー、メは目玉焼きを指しています。どれも、あまり噛まずに飲み込める料理ばかりです。
これに対して、身体によい食品を並べた言葉は「まごわやさしい」といいます。
ま:豆、ご:ごま、わ:わかめ(海藻)、や:野菜、さ:魚、し:しいたけ(キノコ)、い:いもを指しています。
噛むのに時間がかかる食品が多く、料理に手間もかかるので、子どもが小さく、忙しい家庭では使われる機会が減っています。しかし、栄養バランスを考えても、できるだけ食べる回数を増やしたい食品ばかりです。
最近では「まごたちわやさしい」と、卵(た)、乳(ち)を加えた言葉も言われるようになりました。たんぱく質が成長期の子どもだけでなく、高齢者の健康にも必要であることから、たんぱく質は肉からではなく、魚と大豆に加えて卵と牛乳からも摂ることがすすめられるようになっています。
さらに「まごたちにわやさしい」と肉も増やすことがすすめられる場合もありますが、肉の飽和脂肪酸は摂りすぎないようにすることが求められます。
さらに最近では「さあにぎやかにいただく」という標語も登場しています。
さ「さかな」(魚)、あ「あぶら」(油脂)、に「にく」(肉類)、ぎ「ぎゅうにゅう」(牛乳=乳製品)、や「やさい」(野菜)、か「かいそう」(海藻)、に「にゅうさんきん」(乳酸菌=発酵食品)、い「いも」(芋)、た「たまご」(卵)、だ「だいず」(大豆・大豆製品)、く「くだもの」(果物)と、より多くの食品を食べることがすすめられています。
この標語は、東京都健康長寿医療センター研究所が開発した食品摂取多様性スコアを構成する食品群の頭文字をとったもので、ロコモティブ・シンドローム対策の標語・合言葉として使われています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕