「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、調査研究の取り扱いを説明しています。
*国民の栄養素摂取状態に関するデータ
国民の栄養素摂取状態を反映していると考えられる代表的な研究論文を引用して、適切な論文がない場合には、公表された直近の国民健康・栄養調査結果で安定したデータを用いた値として、平成30年・令和元年国民健康・栄養調査のデータを引用しています。この引用に関しては、参考文献番号は付されていません。
なお、食事記録法を含むほとんどの食事調査法に過小申告が存在することが報告されています。これについては後述しますが、その過小評価がどの程度であるのかは、まだ十分に明らかにはされていません。このことに十分留意するとともに、今後、この点について詳細な検証が必要です。
*通常の食品以外の食品を用いた介入研究の取り扱い
通常の食品から摂取できる量を著しく超えて摂取することによって、何らかの生活習慣病などの発症予防を期待できる栄養素が存在し、その効果を検証するために通常の食品以外の食品を用いた介入研究が行われることがあります。
しかしながら、ある一定の好ましい効果が報告された後に、別の好ましくない健康影響を惹起する可能性があると報告された例も存在します。そのため、通常の食品以外の食品から大量に特定の栄養素を摂取することが妥当か否かに関しては、慎重な立場をとるべきだと考えられています。
したがって、今回の策定では、通常の食品の組み合わせでは摂取することが明らかに不可能と判断される量で行われた研究や、食品ではなく医薬品扱いの製品を投与した研究については、原則として数値の算定には用いないこととしましたが、そのような研究の報告も数値の算定に当たり参考資料として用いることを目的として、検索・収集・読解作業の対象とされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕