業苦楽9 岡山移住の業苦楽

岡山に移住して、もうじき(2025年3月4日現在)8年になりますが、その間の6年間は移住の目的としていたことも、その後に予定していたこともできない自業苦(じごく)の期間で、その後の1年と11か月が岡山で実質活動できた期間のようなものです。

その経験が業苦楽(ごくらく)につながるかどうかは、“私の心がけ次第”ではなくて、どのような自業苦の苦しみであったのかが関係していて、そのギャップが大きいほど業苦楽の喜びが大きくなると認識しています。

実際に、どのような自業苦であったのかは前回(業苦楽8)書いていますが、“自業苦の底”が見える寸前まで落ちたという感覚があり、それこそ東京にいた44年間でも経験していなかった自業苦の経験をしました。

そのおかげで、小さな喜びを大きく感じることができるようになりました。

「おかげ」は好ましい結果に使う言葉です。好ましくない結果には「せい」を使うのが正しい用法です。今でこそ自業苦の苦しみを与えた人のことを「おかげ」と表現することができるようになりましたが、当時は「せい」を使うしかない状況であり、そのような心理状態でした。

岡山に移住して、これまでの活動範囲に比べたら“庭先を回っているようなもの”という感覚でしたが、自分の年齢が70歳に近づくにつれて、行動範囲も限られるようになり、これまでの経験を活かせる範囲も限られてきました。

そのような状態になってみると、岡山は“ちょうどいい”サイズに感じるようになり、まさに業苦楽(苦が楽に転じる)に適した場所で、周囲の方々が業苦楽を感じられるように動くことができる地域であることも実感できるようになりました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕