日々修行187 銀行の意向

企業の経営統合、合併の成否には、その背後にいる大手銀行の存在が大きく影響しています。

社会人になったときに、大手銀行(都市銀行)が、いくつだったのかを聞くと、大体の年齢がわかります。それくらい、銀行は合併を繰り返して、現在のメガバンク3グループになるまで、数の変化が続きました。

最も長かったのは13行の時代で、BANKの「B」と「13」を組み合わせた銀行業界のロゴマークが有名となりました。このロゴマークを私の知り合いの大手広告代理店のデザイナーが作ったこともあって、13行の変遷をずっと見続けてきました。

当時の13行は、第一銀行、三井銀行、富士銀行、三菱銀行、協和銀行、日本勧業銀行、三和銀行、住友銀行、大和銀行、東海銀行、北海道拓殖銀行、神戸銀行、東京銀行でした(当時の統一金融機関コード順)。

その後、太陽銀行(日本相互銀行から変更)、埼玉銀行(地方銀行から都市銀行に移行)が加わって、13行は15行の体制になりました。

現在は、みずほ銀行(第一銀行、富士銀行、日本勧業銀行)、三井住友銀行(三井銀行、住友銀行、神戸銀行、太陽銀行)、三菱UFJ銀行(三菱銀行、三和銀行、東海銀行、東京銀行)、りそな銀行(協和銀行、大和銀行)となり、北海道拓殖銀行は経営破綻しました。

埼玉銀行は埼玉りそな銀行となり、りそなグループの傘下の都市銀行となっています。

3大メガバンクの三菱UFJ銀行(三菱UFJフィナンシャル・グループ)、三井住友銀行(三井住友フィナンシャルグループ)、みずほ銀行(みずほフィナンシャルグループ)は、合併した銀行がメインバンクとなっている企業・団体に強い影響力を持ち続けています。

企業の経営統合・合併がうまくいくか、破談になるかはバックにいる銀行の意向が大きいということは以前から言われてきたことですが、話題になった自動車会社の経営統合と破談までの経緯は、みずほ銀行が日産自動車のメインバンクであることが大きいというのが業界筋の見方です。

日産自動車は日本興業銀行がメインバンクでしたが、銀行の3社合併によって第一勧業銀行、富士銀行とともに、みずほ銀行となり、日産自動車のメインバンクの座を受け継ぎました。

本田技研工業のメインバンクは三菱銀行から、現在の三菱UFJ銀行へと受け継がれています。

日産自動車は、みずほ銀行だけでなく、経営難もあって三菱UFJ銀行も加わるようになり、もしも本田技研工業が主となった合併となると、みずほ銀行の地位が脅かされることになるかもしれません。

もう一つの雄のトヨタ自動車は東海銀行が合併によって三菱UFJ銀行となったことからメインバンクになっています。

このままでは自動車業界のメインバンクは三菱UFJ銀行だけになりかねない、という懸念が、日産自動車の経営陣を動かしたというのが、もっぱらの噂です。

別の見方もあって、みずほ銀行が日産自動車に合併を働きかけたが、受け入れられなかった、他の金融機関の助けが見込まれるからなのか、という推測です。

今後の変化があったときには、改めて更新情報を書いていくつもりです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕