新常識の非常識15 減塩で高血圧を抑制その2

厚生労働省の国民健康・栄養調査(令和元年)によると、高血圧症患者は60〜69歳では56.8%、70歳以上では68.6%になっています。

年齢を重ねると血管が徐々に硬くなり、弾力性が低下する動脈硬化が進んでいくことから、加齢は高血圧の大きな要因といえます。

しかし、血圧が上昇する原因は11種類あるとされていて、塩分(ナトリウム)によって血圧が上昇する食塩感受性高血圧は40%ほどとされています。

食塩感受性がない人は食塩を多く摂っても血圧が上昇しない一方で、血圧が高い場合には減塩しても血圧が下がらないという特徴があります。

ナトリウムによって血圧が上昇するのは、ナトリウムが水分を吸着することによって血液中の水分が増えて圧力が高まることが一般的に言われる理由です。

血液中のナトリウムが増えると、血管の細胞にナトリウムが多く取り込まれるようになり、細胞内の水分が増えて水膨れ状態になります。そのために血管が狭くなり、これもナトリウムによって血圧が上昇するメカニズムとなっています。

食塩感受性が低い人であっても、年齢を重ねていくと血管の老化が進んで、ナトリウムによる影響を受けやすくなるので、若いときと同じように安心して塩分を摂ってよい、というわけにはいかなくなるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕