活躍社会推進28 識字障害へのアプローチ

識字障害には、文字が読めない、読めても理解するために時間がかかるというものから、視覚情報処理の異常のために書かれている文字を、そのままの形で見ることができないこともあります。

そのために、見えるようにするために正面からではなく斜め方向から見るようにする、教科書やテキストを手にして別の角度から見ようとすることもみられます。

これに加えて、眼球が上手に動かせないことによって識字に障害が現れる場合もあります。学習障害児の特性の一つに、文字を読むときに頭を動かすことがあります。目を動かしていないわけではなくて、広い範囲の文字を読むために眼球を動かす範囲が狭いために、頭を左右に振って見るようになってしまいます。

そのために目から入ってくる画像が安定せずに、目から入ってきた情報を全体的に捉えにくくなることがあります。このことが識字の困難さを増加させることにもなっています。

学習障害がある子どもの中には、視力に特に問題がなく、見え方に問題がないようにみられても、実際にはよく見えていないことが起こっています。

就学前ではよく見えていないと、絵が描けない、積み木で形が作れない、パズルが苦手ということが起こり、就学後には文字が覚えられない、書けない、鏡文字になる、算数の図形問題ができないということにつながっていきます。

見る力が充分でないと、見るために使うエネルギーが多く必要となり、疲れやすく、目で文字や画像を捉えていても、はっきりと見ていないようなことが起こります。そのために、見て、読んでいるようでも記憶に残りにくく、結局は勉強をした割にはよく覚えていないという結果にもつながりかねません。

ものを見るときには、初めに共同性眼球運動(左右の目を同方向に動かす視線運動)の機能によって、両目の視線を目標とするものに移動させています。それと同時に、両眼視と調整の能力を使って、焦点を合わせて見ることになります。

眼球から入ってきた画像情報を映し出す網膜には、視力が極めてよい中心窩があり、この中心窩のカバー範囲は1.6度と狭い範囲となっています。この部分から少しでもズレがあると視力は大きく低下します。

そこで眼球を動かして中心窩で目標物を捉えるようにします。そのための能力が共同性眼球運動であり、それがうまくできないと眼球だけではなく、頭を動かして見るようになっていきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕