日々修行205 一緒に見る桜

花見といえば、今は桜を見にいくことを指していますが、江戸時代には、さまざまな花を見に行くだけでなくて、行った先で宴席を設けるのが普通のことだと伝えられています。

それは、梅や桃のような鑑賞に適した花だけでなく、菫(すみれ)や桜草といった草花も対象となり、草花であっても花見や宴席が行われていました。

その中でも桜が花見の中心となり、宴席とセットになって今に伝えられるようになったのは、桜の特性が関係しています。

このことについては、東京にいたときに日本文芸家クラブの「江戸を歩く会」でも、日本ウオーキング協会の花見ウオーキングでも定番のネタとして語られていました。

その語られていたことは、日本の代表的な桜の品種のソメイヨシノ(染井吉野)は、江戸時代末期に染井村(現在の東京都豊島区駒込3・6・7丁目)の植木屋が吉野桜として売り出したものということです。

日本固有種の大島桜(父)と江戸彼岸(母)の交配によって生まれたもので、遺伝子研究によって単一の樹を始源とする栽培品種のクローンであることが1995年に明らかにされています。

桜の基本野生種は10種類があって、これらの変種と合わせて100種類はあるとされています。このほかに品種改良による栽培品種があり、今までに600種以上の品種が確認されています。

しかし、ソメイヨシノは江戸時代末期から接木によって各地に広がり、昭和の時代に入ってからは全国(鹿児島・桜島から北海道・札幌まで)で植えられるようになりました。

桜の開花・満開を判断する標準木は全国各地のソメイヨシノで、気候に合わせて同じように花が開き、散っていくのは同じ遺伝子を持っているからであり、クローンということは同じ姿形のものを全国で、毎年見ていることになります。

桜は、その木の下の宴席がつきものですが、桜の花見といえば宴席の有無に関わらず、1人で見にいくというイメージはありません。団体で会社や団体などの行事で見にいくことは年々減っているとしても、家族や知人と少人数で観にいくことは続いています。

これからも、少なくとも1人ではなく他の人と見ることは続いていくはずです。

昨年は4〜5人で見に行ったのに今年は2〜3人で見に行ったという場合でも、数年の間を置いて見に行った場合でも、見ている桜は違っていても、その姿は年が違っても同じ姿形をしています。

正確に言うなら、気象条件によって咲き方は異なっているので、まったく同じということはないのでしょうが、以前に家族などと一緒に見た桜と同じものを、時間を経た今も見ていることになります。

また、今見ている桜を、先々に他の人と見ることにもなるだけに、人とのつながりを感じさせ、思い起こさせる機会を提供してくれるのが桜の花見ということを伝えさせてもらっています。

これは年齢を重ねて、徐々に親戚演者や友人が減っていく中で、私自身も年々強く感じるようになっていることです。それだけに新たな出会いの方々とは、一緒に桜を見る機会を増やしたいとは思っているものの、咲いてから散るまでの期間が長くはないので、思ったようにはいかないのは仕方がないことです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕