100kcal栄養学17 はらすまダイエット

ダイエットを目指すときには体重を減らすことを目標とすることはあっても、体脂肪を減らすことを目標にすることは、あまり多くはありません。体重が1kg減少したときに、どれくらい体脂肪が減ったのかというと、「体脂肪1kgは約7200kcal」という計算が使われています。

脂肪は1gあたり約9kcalのエネルギー量があるので、そのまま計算すると約9000kcalとなるところですが、体脂肪の約20%は水分であるので、「9000kcal×80%」で約7200kcalとしています。

これを具体的にする方法として、100kcal分の食品・料理の量を示して、その分を減らすように指導するのが「100kcalはらすまダイエット」です。

これは日立製作所の企業グループで実践されているもので、100kcal分ずつを減らすことで90日間で目標を達成することを目指しています。目標とされるのは体重の5%を減らすことで、体重が90kg以上の人は7%を減らすことが示されています。

これが登場したのは厚生労働省の特定保健指導(メタボリックシンドローム対策)の一環で、「はらすま」は「腹をスマートに」を略したものとされています。メタボリックシンドロームは内臓脂肪が多く蓄積されることによって、発生する生活習慣病の予防を目的としています。

「はらすま」には日立グループのキャッチコピーの「HALSM」(Hitachi Associates Life Style Modification & Action)にも共通する「日立の仲間で考えた生活習慣を見直して実行する」の意味合いがあると伝えられています。

100kcal栄養学では、100kcal単位の食材を組み合わせていくプラスの発想をしていますが、はらすまダイエットではマイナスの発想をしています。

100kcal単位に減量メニューを小分けした「100kcalカード」を使って、無理なく賢く内臓脂肪を減らすプログラムで、料理や飲料の1人前から100kcal分をカットすることを示しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕