発達障害の特性の一つの触覚過敏は触覚が特に敏感に反応することから、学習では、これが気になって集中できない、指先の感覚に違和感を感じて触ることができない、鉛筆を持てない、鉛筆を持っても上手に動かせないということが起こります。
これとは逆に、気に入った手触りのものを、いつも触っている、いつまでも触っているということも発達特性としてみられます。
他人に触れられることを極端に嫌うところがあり、背中を触られるのが嫌い、背後に他の人がいることが不安ということもあります。運動では、他の人が背後にいるのはよくあることですが、それが気になって運動や競技に集中できないこともみられます。
触覚過敏では手で受ける刺激が、とても強い刺激に感じることもあり、ボールが持てない、ボールを指のコントロールで投げられない、ボールを受けるのが痛い、軽いタッチでも強いショックに感じるということがあり、基本的な動作が上手にできないことになります。
熱いものが痛みに感じることがあり、手や身体で受ける摩擦が他の人よりも熱い、痛いという感覚となります。
日常生活でも服の着心地にこだわる、苦手で着られない服、靴下、靴、帽子があるといったことで着られない服装があります。運動着は一定のものに限られていて、着心地よりも活動性、丈夫さが求められることから運動着が苦手、運動着が着られないということも起こります。
温度に対して敏感で、とても暑がり、寒がりというところがあり、他の人は平気で過ごせる運動着が不快で運動に励むことができない面もあります。
締めつけが苦手ということもあり、日常生活ではベルトをゆるめている、シートベルトができないということがあるのですが、運動着は競技によっては装着性が重要で、そのためにできない運動、競技が出てきます。
また、砂や泥の感触が不快で、外での運動や競技ができないという子どもも少なくありません。
水が苦手で、水に顔がつけられないというだけでなく、手が水で濡れるだけでも不快ということもあり、そのような感覚過敏がある子どもの水泳をさせることは拷問のようにも感じさせることさえあるのです。
このようなことまで気配りをして、触覚過敏の子どもの場合には運動を進めていく必要があるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕