糖尿病の基礎知識1 糖尿病は国民病の代表

「糖尿病は太っている人がなる病気」というイメージが抱かれがちです。確かに、糖尿病は食事の摂りすぎ、運動不足が大きく関わっているために、太っていることで発症のリスクが高まるのは事実です。

また、糖尿病患者の約80%は肥満か肥満傾向であるとの調査結果もあります。しかし、糖尿病は、やせているから、なりにくいとは決していえない病気です。

糖尿病患者は年々増え続け、今や国民病の代表ともなっています。厚生労働省の国民健康・栄養調査(1997年)の調査では、糖尿病が強く疑われる人(糖尿病有病者)は約690万人、糖尿病の可能性を否定できない人(糖尿病予備群)は約680万人で、合わせた数は約1370万人となっていました。

厚生労働省の糖尿病実態調査(2002年)では、糖尿病が強く疑われる人は約740万人、糖尿病の可能性を否定できない人は約880万人で、合わせると約1,620万人にも達すると推定されていました。

それが2006年の結果では、糖尿病が強く疑われる人は約820万人、糖尿病の可能性を否定できない人は約1050万人で、合わせると約1870万人にも達すると推定されていました。

そして、2016年には、糖尿病が強く疑われる人は約1000万人、糖尿病の可能性を否定できない人は約1000万人で、合わせると約2000万人に達したと推定されています。いかに短い期間で大幅に増えているかがわかります。

そこから10年ほどが経過して、2020年に発表の方法が変わり、割合だけが示されています。それによると糖尿病が強く疑われる人は、男性は16.8%、女性が8.9%となっています。

予備群が同数と推計すると、男性は33.6%、女性は17.8%になり、男女平均で25.7%となります。調査対象の成人人口は約1億人とされているので、2500万人以上が該当者となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕