食事摂取基準27 指標の特性の総合的な考慮1

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、指標の特性の総合的な考慮を説明しています。

食事摂取基準は、エネルギーや各種栄養素の摂取量についての基準を示すものですが、指標の特性や示された数値の信頼度、栄養素の特性、対象者や対象集団の健康状態や食事摂取状況などによって、活用において、どの栄養素を優先的に考慮するかが異なるため、これらの特性や状況を総合的に把握して、その活用の方法を判断することになります。

食事摂取基準の活用の狙いとしては、エネルギー摂取の過不足を防ぐこと、栄養素の摂取不足を防ぐことを基本として、生活習慣病などの発症・重症化予防を目指すことになります。

また、通常の食品以外の食品など、特定の成分を高濃度に含有する食品を摂取している場合には、過剰摂取による健康障害を防ぐことにも配慮します。

栄養素の摂取不足の回避については、十分な科学的根拠が得られる場合には推定平均必要量と推奨量が設定され、得られない場合には、その代替指標として目安量が設定されていることから、設定された指標によって数値の信頼度が異なることに留意します。

また、推定平均必要量と推奨量が設定されている場合でも、その根拠が日本人を対象としたものではなく、諸外国の特定の国の基準を参考にして算定されている場合は、日本人における有用な報告がないため、諸外国の研究結果に基づいて算定されている場合があります。

このように同一の指標でも、その根拠によって示された数値の信頼度が異なることに留意します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕