共通の敵と戦っているときには、どんなに強敵であったとしても敵の方だけに気を使っていればよい、というのが常識的な判断です。そして、自分と一緒に戦っている味方は、強ければ強いほど安心できる存在です。
敵との戦いに勝ったら、それでよいということではなくて、そこからが本当の戦いが始まります。敵との戦いに勝ったとしても負けたとしても、敵がいなくなった途端に、これまで味方であった人が急に敵に変わることがあります。
共通の敵と戦っているときには強力な味方であった場合には、それが強力な敵になることがあり、そこまでのことを考えて味方とのコミュニケーションをとっておくことが重要になってきます。
これは戦争や企業同士の戦いの話だけではなくて、小さな事業所やコミュニティでもあることで、先頭に立って共通の敵と戦っていた人は、敵に集中しているときには後ろの動き、後ろにいる人の気持ちが見えなくなりがちです。
このことは「後ろから竹槍で刺される」と表現されることがあります。金属の槍であったら刺されたら命が危ういという感覚はあっても、竹槍の存在は忘れがちで、また竹槍の動きが見えなくなってしまうものです。
竹槍は金属の槍と比べたら命の危険は少ないものの、近いところから気づかないときに刺されたら、そして急所(弱点)を刺されたら竹も金属も関係ないことになります。刺されてからでは遅い、手遅れとなってしまいます。
このような話をすると、「そんなことはない」、「自分のところは大丈夫」との反応する人が多いのですが、その裏付けを問うと明確な返事がないということがほとんどです。
自業(じごう)よる自信こそ「竹槍の危機」ということを、追い討ちで話をさせてもらっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕