メッセージ物質に影響を与えるのは何か

NHKの特集番組「人体」では、臓器・器官から分泌・放出されるメッセージ物質によって離れた臓器や器官に情報が伝えられることによって、体内調整のネットワークが構築されていることを紹介しています。そのシステムが正常に働いていれば健康が保たれるわけですが、正常に働いていない人は少なくありません。メッセージ物質が充分に出ていないか、充分に出ているのに受け取る側に問題があると、徐々に調整が乱れて、これが病気を引き起こす要因になるというのが、この番組のメッセージとなっています。
メッセージ物質は体内にある成分、体内で合成される成分であるので、これを外から与えても悪影響が出ることはないことから、副作用のない新たな治療薬に応用できるということで、医学界では以前から注目すべき研究テーマとなっていました。この番組を見た他局のディレクターから、脂肪細胞から分泌されるレプチンのことを詳しく説明してほしいという依頼がありました。メッセージ物質という切り口から新しい情報と思ったようですが、レプチンは特に新しい情報ではありません。むしろ何を今さら、というレベルの情報です。
レプチンは脂肪細胞の中に脂肪が多くたまってくると脂肪細胞から分泌される生理活性物質で、食欲を抑え、脂肪燃焼を進める働きがあります。日本人はレプチンが分泌されているのに、それをキャッチして働かせる能力が低いので、太りやすい体質となっています。ここまではわかっていますが、問題は、どうして日本人はキャッチしにくいのかがよくわかっていないということであり、もっと問題となるのは、どうやった充分にキャッチできるようになるのか、何が体質の弱点をカバーするものになるかということです。それがわからないまま弱点だけを述べたのでは、解決になっていないと考えています。
日本メディカルダイエット支援機構では日本人の体質について研究してきましたが、誰にもとはいかないものの、多くの人の体質の問題を解決する方法も研究してきました。その一つの結論として実践しながらすすめているのが三大ヒトケミカルです。三大ヒトケミカルについては何度も繰り返して紹介してきたので今回は省略しますが、エネルギー代謝に必要な成分で、20歳代をピークに減少していきます。この減少の度合いには個人差があることから、体内で少なくなっていくと細胞の中で作られるエネルギー量が減っていきます。全身の細胞は自らが作り出すエネルギーによって正常な活動をしているので、メッセージ物質を作り出す能力も、それを受け取って反応する能力も、エネルギーの減少につれて弱まっていくことになります。
他にもメッセージ物質によって体内調整を進めていく方法はあるはずですが、まずは基本中の基本といえるエネルギー産生を高めるために三大ヒトケミカルを補うことだけは始めなければならないと考えます。三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。また、日本人の体質の弱点については、このサイトの「体質改善」を参照してください。