インターバル速歩とインターバルウォーキング

日本メディカルダイエット支援機構が実施しているインターバルウォーキングと、メディアにも登場するインターバル速歩は同じものなのか、という質問を受けることが多くなりました。その返答を簡潔にすると、「同じ部分もあり、違っているところもある」となります。同じ部分というのは、早歩きと普通の速度での歩きを繰り返すことです。違っているところは、インターバルウォーキングは均一的な歩行法ではないということです。
インターバル速歩は信州大学から始まったウォーキング法で、ゆっくり歩き(普通歩行)と早歩きを3分間ずつ交互に繰り返す歩き方で、肥満解消、筋力向上、血圧や血糖値の改善などの報告があると報告されています。早歩きを3分間することによって足の筋肉に多くの酸素が送られ、そのあとに普通歩行をすることによって酸素を使って脂肪燃焼が進むというのが基本的な理屈になっています。これはサーキットトレーニングと同様の理屈です。
これに対してインターバルウォーキングはというと、基本的な理屈は同じではあるのですが、対象者によって歩き方を変えて、より効果が得られるようにしていることです。血糖値が高い人はブドウ糖を燃焼させるのが優先されますが、歩き始めて10〜15分ほどはブドウ糖が優先的に燃焼されることから短い時間のウォーキングを何回か繰り返すようにしています。人によって変化はつけていますが、普通歩行を5分間、続いて速歩を3分間、そのあとは10分間ほどの普通歩行を行います。
もちろん、最後の普通歩行は10分間に限らず、15〜30分間も実施してもよいのですが、運動の時間がない人は合計で18分(5分+3分+10分)のインターバルウォーキングを1日に2〜3回、行うようにします。
中性脂肪値が高い人は中性脂肪を燃焼させなければならないわけですが、15分以上の普通歩行によって脂肪燃焼が高まるので、慣らし歩行の5分間、速歩の3分間のあとに30分ほどの普通歩行を行うようにします。思ったように脂肪燃焼効果が得られないという人は、普通歩行5分間、速歩5分間、普通歩行15分間のあとに速歩3分間を入れて、そのあとは20分以上の普通歩行を続ける方法もあります。
生活習慣病予防のためには1日に20分間の速歩を実施するのがよいとされているので、3分間の速歩2回を1セットとして、1日に3〜4回セットの速歩を取り入れたインターバルウォーキングをすることをすすめています。
血圧が高めの人にも同じようなインターバルウォーキングを実施するようにしていますが、血圧は高さだけでなく、動脈硬化の度合い、他のリスクも加味して、できるだけ血管に負担がかからないようにしながらも血圧が抑えられるように速歩の時間を1〜3分の間で調整しています。
しかし、これにも個人差があるので、基本編の歩き方を習得してもらってから、それぞれの方に適した方法を考えるようにしています。指導する側としては手間がかかって仕方がないのですが、総論ではなく各論のアドバイスができなければ意味がないので、頑張っています。