大根足の意味が違っていた

同じ言葉を使っているのに、お互いにイメージしていることが違っているので、行き違いがあったり、会話が成立しないことがあります。以前から気になっていたのは「やぶさかではない」という言葉で、「喜んでやる」という意味だと思っていたら、「仕方なくやる」という意味で使っている人がいました。仕方なくやるという意味なら、まだ前進はしているものの、「やる気はあるが今は決定できない」「ズバリやらないというのではなく、やらない気持ちが強い」という意味で使っている人もいて、こうなると後で揉める原因となります。
どちらも自分の考えが正しいと思って使っているので、「辞書には、こう書かれている」と言ったところで“仕方がない”という話です。
ここで言いたかったのは、大根の話というか“大根足”のことなので、まったく違った話と思えるかもしれませんが、ダイエット指導のときに“大根足”というキーワードが出たら、どちらの意味か確かめておかないと、まったく逆の指導をすることになり、成果を出したのに恨まれるということにもなりかねません。
昔は大根足と言えば誰もが同じことを思い浮かべていたものです。ふくらはぎが大きく膨らんでいる曲線的なフォルムの足のことを指していました。昔は大根の代名詞といえば練馬大根、三浦大根で、中が膨らんで太くなっていたので、それと同じ形だということの意味で使われていました。
その時代から大根の品種改良が進み、青首ダイコンが主流になると、“大根足”というと、白くて、まっすぐなスラッとした形をイメージする人が増えてきました。悪口から褒め言葉になったわけです。
以前の大根は形が均一でなかったので運びにくく、輪切りにすると部位によって大きさが違っていたので料理にも工夫が必要でした。青首大根は先の方を除けば、まっすぐです。地面から出ている部分が緑色になるので青首と呼ばれ、だんだん青首の部分が長くなってきました。緑色を青色と呼ぶ理由については、ここではスルーしますが、地面から抜きやすいという生産側の理由、長さもそろえやすいという売る側の理由もあって、今では昔の大根足のようなクラシックタイプの大根を探すのは大変という時代になりました。
このような大根しか見たことがなければ、大根足はスラッとした足ということになります。ここで問題なのは“大根足の悩み”です。大根足は白くてキレイな足と思っていたら、「足首が締まっていない」という悩みがあり、足首を細くしたいというオーダーが寄せられると、これは従来のダイエット指導の範疇を超えています。昔の大根のように膨らんでいる状態なら、これを引き締めることはできます。ふくらはぎは筋肉だといっても、女性の場合はアスリートかアスリート並みのダンサーでもなければ筋肉と脂肪が同居した状態になっています。
筋トレをして、この部分の脂肪だけを減らすことはできなくても、適度な筋トレで(といっても、これがまた難しいのですが)筋肉で脂肪を抑えて細くすることは可能です。ところが、すでに細めになっている部分を、他の部分よりも太く見えるから細く見えるようにするとなると、集中的なトレーニングが必要になります。
それを歩くことにとって可能にしようというのがインターバルウォーキングでの1分間の超早歩きです。これについてはダイエット指導をしている人には個別に答えるようにしていますが、多くの人に共通する方法については別の機会に紹介させてもらいます。