2018年は高齢者が准高齢者を超える

高齢者はWHO(世界保健機関)の定義では65歳以上とされています。我が国の厚生労働省も、これを採用して、さらに65〜74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と分類しています。この分類は「高齢者の医療の確保に関する法律」によって定められています。これに対して日本老年学会と日本老年医学会は、現在の高齢者は心身ともに若くなっていることから、高齢者を75歳以上とすることを提言しています。そして、65〜74歳は准高齢者としています、つまり、現在の後期高齢者を高齢者として、前期高齢者は高齢者ではなく、“准”は準じるという意味の言葉であるので、高齢者に準じる存在であって高齢者ではないということを示しているわけです。
准高齢者という言葉は、これは単純に高齢者の年齢を高くしたから他の呼び方が必要になった、あえて新たな用語として作ったということではありません。高齢者というと、介護ということでは支えられる側という印象があり、高齢者が高齢者を介護するのは老老介護と呼ばれて、特別な状態のように思われていました。しかし、高齢化が急速に進んで、高齢者が高齢者を介護することが例外とはいえない時代となると若くて元気な高齢者が、そうでない高齢者を支えることが重要になります。
65歳を超えた人は、支えられる側から支える側になれるように健康で元気でいること、それも自分のことができるだけでなく、他人のためにも元気な状態を使えるようにしておくことが重視されるようになりました。ということで、支える側の人を、過去の分類の高齢者を使いつつも別の存在ということから准高齢者という考え方をするようになったのです。
このようなことを言っていられるのは、まだまだ本格的な高齢社会ではなく、高齢化社会だったからです。“化”があるのかないのかのボーダーラインは、どこにあるのかという議論は、これまでも各場面で行われてきましたが、高齢者(75歳以上)が支えられる側で准高齢者(65〜74歳)が支える側ということからいうと、支えられる側が支える側よりも増えたときが限界を超えたと判断されます。これまでは高齢化社会と言われてきたものの、支えられる側の高齢者が支える側の准高齢者を上回ることはありませんでした。しかし、2018年のうちに高齢者が准高齢者を超えることが明らかになり、それまでに何をすべきなのかが議論されてきましたが、とうとう先だと思われてきた年に突入して、もう待った無しの状態になりました。
前期高齢者が後期高齢者を支えるためには、65歳になってから、もしくは65歳を前にして健康づくりを始めたのでは間に合わないので、できるだけ早く始めてもらいたいところですが、その重要な年齢は50歳です。代謝機能が大きく低下して、年齢を感じることが多くなり、機能低下が体質的なところから病気に結びつくようになる年齢です。支えるということを考えると、50歳以降の男性は外での仕事が忙しいときで、まだ支える側と言われてもピンとこないはずです。それに対して、女性でも男性と同じように働いている人が増えてきたことを認めつつも、家庭でも地域でも支える側であることを期待されているのは50歳以降の女性です。
この支える側である重要な50歳の女性は、自分が支えられる側になるまで25年もあります。この期間に体力をつけ、健康であるように頑張ったら、支える側であるときも楽であり、支えられる側になったときには支える人を楽にすることができます。その重要な50歳以上の女性が、全女性の半数を超えるのが2020年に迫ってきています。今こそ、取り組みを始めるタイミングということを強く意識して、日本メディカルダイエット支援機構は全国対象で健康教育と情報発信をしながら地域での実践活動にも取り組み始めます。その第一弾が、未病をテーマにした健康づくり体験イベントです。