モンゴル出身力士は120倍も努力をしているのか

競技力について国民の能力を比較するときには二つの方法があって、一つはオリンピックをはじめとしたメダルや入賞の数で単純に比較する方法です。メダル数が多いほど、中でも金メダル数が多いほど、その国の競技力が高いという評価を受けます。もう一つは国の人口を考慮に入れて評価をする方法で、金メダルが1つしかなくても人口が10分の1だったら10倍に評価されます。あまり採用されていない評価法ですが、金メダルの数が多くて、しかも人口が少ない国だったとしたら、これは物凄い努力をしたのか、それとも国民に優れた能力があるのか、その両方なのかを考えなければならないところです。
オリンピック間近ということで金メダルの話にしましたが、大相撲の横綱も気になる存在です。大相撲の聖地の両国のことを「日本とモンゴル」と、地名ではなく二か国の名前で揶揄した人がいましたが、モンゴル出身の力士の実力の秘密を探りたいというのは運動関係者でなくても抱いている感覚です。人口比較でいうとモンゴルは300万人ほどで、日本は人口減少が始まったとはいえ、その40倍もいます。モンゴルから日本にきて、生活の違いを乗り越え、40倍も努力して横綱1名を出せる確率です。一時期は4横綱のうち3横綱がモンゴル出身ということで、確率的には120倍にもなります。
ニュージーランドの人口は約470万人で、25倍以上の人口差となっています。ニュージーランドといえばオールブラックスで有名なラグビー大国で、巨漢と突進力、展開力を見せつけられるとニュージーランド出身者がラグビーではなく、相撲界に入ってきたら、モンゴルどころの話ではないという感覚にも襲われます。
ニュージーランドの特産物というと羊肉、キウイフルーツ、マヌカハニーが御三家です。マヌカハニーは優れた抗菌力があって、口腔、胃、腸内で威力を発揮していますが、これが巨漢とパワーの源ではありません。キウイフルーツは消化酵素が豊富なことで知られていますが、これは肉の栄養を取り入れるのに最適な食品であることは認めますが、これも違います。となると、羊肉が注目されるところですが、羊肉には肉の中でも圧倒的にL‐カルニチンが豊富に含まれています。羊肉の最も有名な食べ方はジンギスカンですが、これはモンゴルの料理です。
そして、羊肉を食べている人はL‐カルニチンが体内に多く蓄積されています。
L‐カルニチンは細胞のミトコンドリアの中に脂肪酸を取り込むために欠かせない成分で、L‐カルニチンが体内に多くある人ほど、脂肪酸をエネルギーとする力が高くなっています。となると、モンゴルの国民もニュージーランドの国民もL‐カルニチンのおかげで、肉を多く食べると良質なたんぱく質を身体に取り込むことができて、肉と一緒に身体に入ってくる脂肪のほうはエネルギーとして燃焼させられるので、パワーがある上に、体脂肪が少ないスポーツ向きの身体を作り上げることができるということです。
脂肪の燃焼というと燃やすところが注目されがちで、L‐カルニチンはダイエットのための素材とも思われがちです。体内のL‐カルニチンが多ければ脂肪の燃焼が高くなり、その結果として作り出されるエネルギーも多くなります。このエネルギーは細胞一つひとつの活性の源であり、それぞれの特徴的な働きを持った細胞が本来の働きをすることで元気が極められるので、これがモンゴル出身力士の活躍の秘密と言えます。
マヌカハニー、L‐カルニチンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。