025 脂肪は代謝で活動のエネルギーに変換

脂肪の代謝というと、脂肪細胞に蓄積される体脂肪を減らすことが注目されがちです。また、糖質を余分に摂った場合には肝臓で脂肪酸に合成され、続いて脂肪酸3個とグリセロール1個が結びついて中性脂肪になります。糖質の代謝促進によって、余分な脂肪を溜めないようにすることができるわけです。血液中の脂肪酸が減ってくると脂肪細胞の中の中性脂肪が分解されて脂肪酸になり、これが血液中に放出されてエネルギーとして使われます。
脂肪代謝によるエネルギー産生が盛んに行われるのは筋肉細胞で、筋肉を動かすことによって脂肪酸を使ってエネルギーが多く作られていきます。そもそも筋肉を動かすためのエネルギーは脂肪酸と糖質のブドウ糖から作り出されたもので、エネルギーを使って代謝を起こして、代謝によってエネルギーを作り出すという連鎖が続いていくことになります。
細胞内のミトコンドリアで作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使うことができません。地産地消のようなもので、電気のように他に流れて使われるものではありません。筋肉が動くことによって作られるエネルギーは筋肉細胞の中で使われるので、内臓で使われるエネルギーは内臓の細胞に取り込まれた脂肪酸とブドウ糖によって作り出されています。内臓の働きがよくない人が、その改善を目指すためには、さまざまな健康法があるものの、基本となるのは内臓でエネルギーを作り出すことです。そのために必要になるのが、代謝を促進する物質であるα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10で、これらは総称して三大ヒトケミカルと呼ばれています。
三大ヒトケミカルが確保されていれば、無理に糖質制限、脂質制限をすることはなくて、ブドウ糖と脂肪酸を余分に摂ったとしても身体を動かして細胞内のエネルギー産生を行っていれば太りすぎることはなく、活動のためのエネルギーも多く作られるということです。