170 運動前のシャワーと運動後のシャワーの効果の差

運動を始めてから脂肪の燃焼が盛んになるまでには10~15分はかかります。ところが、運動の前に熱めのシャワーを浴びると自律神経の交感神経の働きが盛んになり、運動を始めてから脂肪が盛んに燃焼するまでの時間を短くすることができます。運動の時間が限られているなら、早く脂肪燃焼スイッチが入る分だけ、長めに脂肪を燃焼させることができるようになります。
脂肪燃焼スイッチは運動のエネルギー源がブドウ糖中心から脂肪酸中心に移行するタイミングのことで、スイッチが切り換わるように急に変化することから呼ばれるようになりました。スイッチを切り換えているのは自律神経で、ONにするのは交感神経、OFFにするのは副交感神経の役割です。
脂肪分解酵素のリパーゼが盛んに働くためには筋肉が温まることが必要のため、運動によって筋肉が温まるまでの時間がかかります。運動の前に熱めのシャワーを浴びると交感神経が早く働くようになって、筋肉を動かしたときに筋肉が早く温まるようになるという理由もあります。
それに対して、運動後にシャワーを浴びると脂肪が燃焼する時間を長くすることができます。運動をやめてからの筋肉が温まっている間は、筋肉の中にある脂肪分解酵素のリパーゼが働いていて、脂肪の燃焼は徐々に下がりながら30分ほどは続いています。運動後にシャワーを浴びると筋肉の温度は大きくは高まらないものの、筋肉の温度が下がっていくのを遅らせることができるので、脂肪が燃焼する時間を長くすることができます。
運動前にシャワーを浴びる時間がある人は運動前に、運動後に時間がある人は運動後に、そして両方とも時間がある人は、どちらもやったほうがよいということです。運動には酸素を取り込んで脂肪を燃焼させながら身体を動かす有酸素運動と、酸素を使わなくてもできる無酸素運動があります。シャワーと組み合わせて効果があるのは有酸素運動で、長く続けるほど筋肉が温まって効果が上がります。