270 むくみ対策のウォーキング

むくみは下半身に水分が多くたまった状態で、これを心臓に向かって押し上げて、下半身の水分を減らしていくためには、筋肉のポンピング作用が必要になります。筋肉の中には太い血管が通っていて、その血管を揉み込むようにして血液を徐々に上へと送り出していくには、足の筋肉を収縮させることが必要になります。足の筋肉を収縮させるには、屈伸運動のように大きな筋肉を大きく動かす方法が最も効果的ですが、この動きを繰り返すのは簡単なことではありません。
その次に効果があるのは、最も簡単な方法で、ただ歩くだけです。歩くことは左右の足の片方ずつに荷重がかかり、反対側の足に体重がかかったときに力が抜け、再び荷重がかかります。その筋肉の負荷の継続的な変化がポンピング作用の原動力となっています。むくみを予防し、改善するためには、スピードや距離にこだわることなく、とにかく歩く機会を増やすことです。
歩く前の筋肉運動によって、ウォーキングの効果を高めていくことができます。準備運動というと、怪我や事故を起こさないように筋肉を伸ばしたり、柔軟性を高めたりするための運動というのが一般的な感覚です。これも大切なことですが、準備運動のあとに屈伸運動、つまり膝を大きく曲げ伸ばしする下半身の運動をすると、筋肉が大きく動き、筋肉の中を通っている血管も揉み込まれるようになって血流が盛んになります。それと同時に、筋肉に血液を送り届ける細い血管のポンピング作用も高まって、筋肉の力が高まっていきます。
このようにしたあとに、歩くことで、より筋肉が血液を送り出す力が高まり、細胞の間にたまった余分な水分が血液に引き込まれ、むくみが解消されていくようになります。