アフリカ原産のユリ科アロエ属の多年生常緑多肉植物で、その種類は600~700種類にも及び、古代エジプト、中国で薬用植物として用いられてきました。アロエの原産地はアフリカ、アラビア、地中海沿岸などの地域で、日本人に親しまれてきたキダチアロエやアロエベラのほかに、南アフリカで栽培されているケープアロエが代表的な種類です。アロエ(aloe)はアラビア語の「苦い」を意味するalloehが変化したものといわれます。肉厚の葉の表皮と内部は半透明のゼリー状で、ここに含まれる特有成分のムコ多糖類には、粘膜の保護や有害物質などの吸着力の保持、免疫細胞の活性化、抗炎症作用、腸内善玉菌活性などが認められています。表皮に含まれている苦味成分のアロインには便通促進作用があり、下剤として使われる医薬品の原料となっています。多糖類の中でも抗腫瘍性が認められたアロエマンナンや、血糖降下作用を持つアルボランA・Bが豊富に含まれています。サプリメントや飲用に主に用いられているのは、有効成分の含有量が多いアロエベラです。ムコ多糖類は医薬品の成分を吸着して吸収されにくくするため、経口薬の作用を低下させる可能性が指摘されています。そのため、医薬品を服用するときには、アロエとは2時間は離して摂ることがすすめられます。